「安近短(あんきんたん)」という言葉があった。観光を安く、近場で、短い日程にする傾向を表す。平成の不況時に、よく使われた。これに倣うなら、最近は「安近外」ともいえそうだ▼「近」は近場で変わりないが、「安」は安全、「外」は野外を指すらしい。コロナ禍での感染防止策や、移動制限を念頭に置く。そんな中、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、約3カ月ぶりに営業を再開した▼行列の間隔を空け、キャラクターとの交流を「エアハイタッチ」にとどめた。これは当然のこととして、工夫が感じられたのは、再開当初の入場者を、年間パスポートを持ち、事前に予約した大阪府民に限った点である▼感染につながる「密集」を避けるのに有効だ。若い女性は「にぎやかじゃないけど、アトラクションにすいすい乗れた」と話す。新しい楽しみ方も、できたのではないか▼先日、「京都人が改めて京都を観光する地元観光の出番だ」とする投稿が本紙に載った。インバウンドに期待するのは当分無理なので、大阪のケースも参考にすればよい▼車で30分から1時間の範囲を観光する「マイクロツーリズム」を心掛けたい。「安近外」をわきまえず、やみくもにお金をかけ、感染の「第2波」を呼び込むようでは、「安本丹(あんぽんたん)」といわれかねない。