ワイルドウォーターの練習に励む奥田選手(滋賀県近江八幡市・西の湖)

ワイルドウォーターの練習に励む奥田選手(滋賀県近江八幡市・西の湖)

 カヌー競技ワイルドウォーターの奥田翔悟選手(29)=滋賀県東近江市=が昨年、県出身選手として初の国内総合優勝を果たした。ようやくつかんだ栄冠だが、ワイルドウォーターは東京五輪の種目になっていないため、今年はスラロームのカナディアンに照準を定め、五輪出場を目指して選考会に挑戦する。

 八日市南高でカヌーを始め、立命館大に進学。2008年の全日本学生選手権では静水面でスピードを競うスプリントの2人乗りで2位に入るなどの成績を収めた。

 社会人になった後、足のけがなどもあって、激流を下ってタイムを競うワイルドウォーターに転向した。ワイルドウォーターの魅力を「流れの中でこぎ下るのは日常では体験できないスリルがあって楽しい」と話す。

 昨季は男子ジャパンカップで7戦中、初戦と最終戦に優勝するなどして初タイトルを獲得した。一昨年は最終戦で転覆するなど悔しい思いをしただけに「昨年は総合優勝を狙って取れたことがうれしい」と声を弾ませる。

 昨年は海外遠征も初めて経験した。5~6月にスイスであった世界選手権に日本代表として出場。出場約60人中50位と振るわなかったが、「世界のトップ選手の技術を間近で見られた。この経験が国内総合優勝につながった」と語る。

 現在は大津市内の病院で事務職として働きながら近江八幡市の西の湖で練習を続ける。合間には子どものカヌー教室を手伝い、競技の楽しさを伝える。「まだまだマイナーな競技。教室を通じて競技人口を増やせれば」

 今年は五輪出場がかかる大一番が控える。普段取り組むワイルドウォーター(カヤック)のパドルは両端に水かきが付いているのに対し、カナディアンは片方だけで、求められる技術が大きく異なる。

 現在はワイルドウォーターに取り組む傍ら、練習時間の半分をカナディアンに充て、春と秋に予定される選考会に備える。五輪代表選手は1人になる見込み。「もちろん今回の自国開催五輪に出たい気持ちはすごくある。ただ、4、8年後も五輪はあるわけで、競技を続ける間はずっと出場を目指したい」と闘志を秘める。