熟成中のみその状態を確認する西川さん(宮津市下世屋・世屋みそ加工工場)

熟成中のみその状態を確認する西川さん(宮津市下世屋・世屋みそ加工工場)

 京都府宮津市の山間部・世屋地区の名産として知られる「世屋みそ」の唯一の生産者が、今シーズン限りでみそ造りを引退した。伝統の味を守るため、後継者への引き継ぎを検討しており、「何とか世屋みその名前を残していきたい」と語る。

 世屋みそは古くから世屋地区の各家庭で作られ、まろやかな塩味が特徴の赤みそ。材料は全て国産を使用している。1973年に世屋みその生産を行う「世屋農産加工組合」が設立。生産者は一時20人ほどいたが、地域の過疎化が進み、5年前からは現在の代表・西川栄さん(72)だけになった。
 西川さんは1993年から世屋みそ造りに携わる。私財をはたいて設備を整え、生産量を増やして最盛期は20トン以上を造った。健康上の理由で昨秋から引退を考え始め、2月までに1・3トンのみそを仕込んで生産に区切りを打った。
 後継者を探していたところ、みそ造りをしたいという40代の新規就農者の男性を、宮津市府中地区の農家から紹介された。工場のほか冬に仕込んだみそも譲る意向で、現在はこの男性と、どんな形で世屋みそを残していくか検討中という。
 西川さんは「できればずっとみそ造りをしたかったが、年齢と病気には勝てない。次の人には伝統をつないでいってほしい」と話している。