能楽を分解して紹介するサイト

能楽を分解して紹介するサイト

 能楽を新しい観点から学術的に解析したウェブサイトを、米国・スタンフォード大と京都市立芸術大が6年がかりで制作、英語で公開した。二つの演目を題材に、舞台に立つ能楽師の所作や謡、囃子(はやし)の型を細分化、それぞれの関わりで作り上げられた芸術表現であることを紹介している。

 光や音響、色彩などの表現と身体の動きなどが関連し合った芸術表現を「インターメディア」という。スタンフォード大のヤロスラフ・カプシチンスキ准教授とフランソワ・ローズ講師は、鼓や笛などの音楽と謡の詞章、舞台上の舞や演技を伴う能楽はインターメディアの典型とし、市立芸大で中世芸能の音楽を研究する藤田隆則教授と2014年から共同研究に乗り出した。
 市立芸大の客員教授も務める能楽金剛流の金剛永謹宗家が監修し、同流の若手能楽師の一つ一つの所作を分解して撮影。男女の足運びの違いや回り方、扇を手にした腕の動きなどを前後左右から撮り、動きの持つ意味などを解き明かした。
 17年6月には金剛能楽堂で、初心者にも親しみやすい能「半蔀(はしとみ)」と「小鍛冶(こかじ)」を撮影。名乗りや序の舞など小段ごとに、囃子や謡の文言なども細かく解き明かし、シンプルなパターンに緩急をつけるなどの応用で、登場人物の軽重を表現したり、場面の転換や緊張感が表されていることを説明。観客側からの発見に、演者の意識を織り交ぜて記述している。
 藤田教授は「能楽師の皆さんが口伝で受け継いできたことを、客観的な視点で示すことができた。それぞれ別々のパートが緩やかに結びついて成立している能楽のおもしろさを知ることができる」としている。
 サイトは「Noh as Intermedia」で検索できる。