友達以上、恋人未満。少しときめく間柄だが、気に入った地域との関わりでも似た感覚や付き合いがあり得る。そんな可能性を感じるのが、「関係人口」という考え方だ▼かつて暮らした街、親戚のいる集落、印象深い旅先、災害に遭った地方…。思いを寄せて頻繁に地場産品を買ったり、イベントの参加や手伝いに通ったり。観光以上、移住未満。離れた街にいても多様な応援ができる。サポーターと言い換えてもいいだろう▼京都府南山城村がおととし村内に設けた移住交流スペース「やまんなか」は関係人口を紡ぐ場となっている。空き家の片付けや改修を手伝う体験会は、力を合わせて一気に仕上げる達成感があり、人気だ▼企画に携わる楠瀬裕子さんは「受け入れてくれる余白、日常にない体験が村にあると感じてもらえている」と言う。催しの参加者が山野草料理に詳しいと知って次は講師に呼ぶという、楽しい循環も生まれている▼そんな緩さもあるつながりの多寡を行政が測り、支援に差を付ける動きにならないか。総務省検討会が昨年、市町村が関係人口を募る仕組みづくりを提言したことで、懸念の声を各地で聞く▼親友でも距離を置きたい時がある。地域との関係も基本は人同士。お互いの思いや工夫を尊重できる付き合いを大切にしたい。