温暖化による海水遡上の影響が懸念されている京都府舞鶴市の取水場。由良川河口から17キロ上流の地点にある(京都府福知山市大江町二箇)

温暖化による海水遡上の影響が懸念されている京都府舞鶴市の取水場。由良川河口から17キロ上流の地点にある(京都府福知山市大江町二箇)

 地球温暖化により、21世紀末には由良川河口の海水面が現状より年平均で79センチ上昇し、海水の川への遡上(そじょう)が増大して京都府舞鶴市の上水道の取水に影響があることが環境省の調査で12日までに分かった。取水場は河口から17キロの地点にあるが、塩分濃度の上昇で、現状の位置では飲料水として取水するための「対応が困難になる恐れがある」と指摘している。

 同省が2017年度から3年間、温暖化が地域の経済や生活などに及ぼす影響を35項目取り上げ、全国で調べた。海水の遡上をテーマとした由良川への影響については、日本気象協会と神戸大がデータを基にシミュレーションした。
 同市は、隣接する福知山市大江町二箇の取水場で由良川からくみ上げて浄水し、舞鶴市内の8割にあたる約3万世帯に水道水を供給している。夏場に海水の遡上で塩分濃度が上るため、防潮幕の設置や、さらに2・5キロ上流の補助取水口で真水を取って塩分濃度の高い水と混ぜて対応している。
 調査報告によると、由良川河口が面する若狭湾の海面水位上昇幅は21世紀中頃に年平均22センチ、21世紀末には79センチと予測した。
 21世紀末には降水量増加で由良川の水量は微増となるが、海面上昇で取水場付近の水は塩分濃度が現在より高くなり、遡上距離も伸びるとした。年間の半分近く、海水遡上のリスクにさらされる可能性があるとして、取水口の高さの変更や上流への移設などを対応策に挙げた。市水道整備課は「上流への移設は相当な期間や費用がいる。必要な対策を検討したい」としている。
 同省気候変動適応室は「気候変動は遠い未来のことではなく、地域に影響が徐々に出始めている。個人や企業による温室効果ガス削減の取り組みが重要になっている」としている。