宝酒造が販売している15種類の抹茶アルコール飲料(京都市下京区・宝酒造)

宝酒造が販売している15種類の抹茶アルコール飲料(京都市下京区・宝酒造)

黄桜が開発した抹茶を使った緑色の発泡酒。抹茶の風味が泡立ちと一緒に楽しめる

黄桜が開発した抹茶を使った緑色の発泡酒。抹茶の風味が泡立ちと一緒に楽しめる

 国内外で人気が高まっている抹茶を使ったアルコール飲料が脚光を浴びている。抹茶の産地、京都の飲料メーカーが続々と抹茶チューハイや抹茶発泡酒などを発売。レモンサワーに続く抹茶アルコールブームを創出できるか注目されている。

 宝酒造(京都市下京区)は昨年6月に抹茶アルコール飲料の販売拡大戦略をスタートさせた。飲食店向けのリキュールをはじめ、家庭向けの辛口の「極上抹茶ハイ」や、水で割って好きな濃さを楽しむ「極上抹茶ハイの素」、抹茶スイーツのような甘口商品など計15種類を取りそろえた。
 女性を中心に会員制交流サイト(SNS)の「インスタグラム」などで、鮮やかな緑色をした抹茶ハイの投稿が増え、飲食店で人気が高まっていると目を付けた。ベースは糖質ゼロの甲類焼酎。抹茶の色や風味を保つ独自技術を開発した。昨年10月に東京で抹茶ハイフェスが初めて開催され、5千人以上が来場。同社は「SNS映え、美容や健康に良いイメージなど、ブームの条件がそろっている」と期待する。
 抹茶を使ったグリーンの発泡酒も京都から誕生した。酒造大手の黄桜(伏見区)は、宇治抹茶の香りが広がる黄桜「抹茶 発泡酒」をこのほど発売。これも「インスタ映え」する緑のアルコール飲料で、抹茶への関心が高い外国人向けにも拡販を狙っている。
 同商品は、京都産宇治抹茶を一部使用し、ベニバナやクチナシの色素など天然素材を駆使して緑色に仕上げた。飲み応えはほぼビールで、カスケードホップ由来の柑橘(かんきつ)の香りと抹茶のフレーバーが楽しめる。同社は「和食と合わせてもおいしい飲料。抹茶は外国人にも人気が高い食材なので、写真撮影と共に楽しんでもらいたい」として海外発信も図る。
 京都の有力産品の茶を生かした飲料のバリエーションはさらに増えていくとみられ、今後も抹茶アルコール飲料商戦はますます過熱しそうだ。

 ■市場、5年で倍増

 スイーツや飲料などに欠かせない抹茶の需要は年々拡大している。京都府茶業統計によると、府内の荒茶の生産量で、抹茶の原料の碾茶(てんちゃ)は、2019年度までの10年間で1.3倍に増加。秋に収穫される秋碾茶は7年間で2倍以上に増えている。伊藤園の調べでは、抹茶製品の市場は17年までの5年間で2倍になったという。
 抹茶の抗酸化作用などが「スーパーフード」と評価されている海外への日本茶の輸出額は19年までの10年間で3倍以上に伸びており、今後は訪日観光客も消費のけん引役になると期待されている。