鼻緒シューズを開発した京都造形芸術大の酒井准教授(右手前から3人目)や学生たち=京都市左京区・CHIMASKI Studio

鼻緒シューズを開発した京都造形芸術大の酒井准教授(右手前から3人目)や学生たち=京都市左京区・CHIMASKI Studio

スニーカーに鼻緒の飾りが付いた「鼻緒シューズ」。芸舞妓や茶道関係者にも人気という

スニーカーに鼻緒の飾りが付いた「鼻緒シューズ」。芸舞妓や茶道関係者にも人気という

 スニーカーに鼻緒の飾りが付いた「鼻緒シューズ」が人気を呼んでいる。「古いは新しい」をテーマに、京都造形芸術大(京都市左京区)の准教授が考案した斬新なデザインで、京都から伝統の魅力を発信している。

 きっかけは2017年春に同大学で開かれた祇園甲部歌舞会の舞台公演「都をどり」だった。会場のディスプレーの中に、酒井洋輔准教授(38)がふと思いついた「鼻緒シューズ」を並べると、「どこで買えるのか」と問い合わせが相次いだ。キャンバスシューズを用いて1足1万8144円で商品化。夏に百貨店で販売すると、2週間で140足が完売した。

 鼻緒は大阪市の草履の老舗「菊之好(きくのごのみ)」などに発注し、キャンバスシューズはムーンスター(福岡県久留米市)と国産にこだわった。要望に応え、本革スニーカー(2万9592円)や子ども用(8856円)も作り、手持ちの草履の鼻緒を付ける加工も受けている。

 京都を中心にした百貨店での期間限定店舗やネットショップのほか、ロンドンやミラノでも販売し「クール(格好いい)」と評判になった。おしゃれに関心が高い20~30代を想定したが、日常的に和装を着用する芸舞妓や茶道関係者にも人気が高まっているという。

 商品化をきっかけに同大学は昨年4月、京都伝統文化イノベーション研究センターを設立した。センター長に就いた酒井准教授は「職人の仕事に対する姿勢はかっこいいの一言。伝統産業の可能性を広げたい」と話している。