京都市伏見区の路上で2017年の大みそかに男性2人を刃物で刺して死傷させたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた中村正勝被告(51)の裁判員裁判の初公判が23日、京都地裁(齋藤正人裁判長)で開かれた。中村被告は「男性に脅され殴られたため刃物で反撃した」と正当防衛による無罪を主張した。

 起訴状によると、17年12月31日午後3時ごろ、伏見区肥後町の路上で、大津市のアルバイト猪飼将希さん=当時(27)=の胸を所持していた小刀で突き刺して殺害し、猪飼さんの知人の同市の男性(46)にも殺意を持って切りつけ、全治5週間のけがを負わせたとしている。

 検察側は冒頭陳述で、被告と男性の娘(22)が職場の元同僚で、金銭トラブルなどがあったと指摘。男性らが借金の返済を求めて被告宅を訪れて口論となり、「被告が刃物で一方的に切りつけた」と説明。正当防衛が成立する状況ではなかったとした。

 一方、弁護側は男性が猪飼さんら仲間を引き連れて被告の自宅に押しかけてきたと主張。男性がコンテナで被告を攻撃してきたため、「身を守るためにやむを得ず小刀を振り出した」と訴えた。被告は一貫して身を守るための行動をしており、正当防衛が成立するとした。