あなたの近くの竹林はどうだろう。120年に1度というハチクの開花がピークの兆しとの記事が、少し前の紙面にあった。竹の花は災いの前兆―そんな迷信を思い出す方もいるのではないか▼京都府内でも開花するハチクが増え始めたという。花を咲かせた後は、同じ地下茎を持つ竹が一斉に枯れる。景観を一変させたり、土壌の流出を防ぐ力が弱まったりする恐れがあるそうだ▼18日は竹文化振興などを目指す「世界竹の日」。古来、日本人は竹の神秘性に引かれてきた。枯れても地下茎の一部は残り、十数年かけて回復するとみられる。竹林は一つの生命体といえる▼ひょっとすると世界は大きな竹林なのかもしれない。「世界システム論」で知られる米国の社会学者ウォーラーステインさんの訃報が伝えられ、ふとそんなことを思った▼国ごとではなく、世界を一つの有機的なつながりとみて資本主義を分析した。今や誰もが口にする「グローバル化」である。その中心となる覇権国は17世紀のオランダから英国、米国…と移り変わってきたという▼ウォーラーステインさんは米の覇権は終わりに近いと言っていた。竹林の風景が一変するような時代に立ち会っているのだろうか。あちこちで咲くナショナリズムの花が、不吉な前兆でなければいいのだが。