最近、駅などで見かけた人も多いと思う。「エスカレーター乗り方改革」と書かれたポスター。「手すりにつかまる」「歩かず立ち止まる」と呼びかけるキャンペーンだ▼JRやビル運営会社など52事業者が7月から全国で始めた。毎日、駅を利用する筆者も目にする。でも、すみません、つい歩いてしまっている▼エスカレーターの片側を急ぐ人のために空けるようになって久しい。京都は右側、大阪は左側が多いようだ。立ち止まりたければどちらかに寄ればいい-。そう考える人は少なくないだろう▼でも、例えばけがや病気で左腕の自由がきかない人が、左側の手すりをつかむのは難しい。「手すりを持たず立つだけで不安なのに、横をどたどた歩かれたり、背後で舌打ちされ怖い」。こんな声が鉄道会社に寄せられる▼キャンペーンには理学療法士の団体が熱心だ。東京都理学療法士協会は「わけあってこちら側で止まっています」と記したキーホルダーを5千個作って配布した。東京五輪・パラリンピックまでに片側空けをなくす目標を掲げる▼元々エスカレーターは歩く構造ではないらしい。立ち止まって後ろから叱られる理由はないのである。五輪・パラは間違って定着した慣習を修正するチャンスかもしれない。でも、やはり勇気はいるかな…。