学校紹介の動画を見る北嵯峨高の教諭(京都市右京区・同高)

学校紹介の動画を見る北嵯峨高の教諭(京都市右京区・同高)

 新型コロナウイルスの感染予防のため、京都府内で中学3年生向けに今月予定されていた高校の学校説明会が中止や延期になっている。各校は代わりに学校紹介の動画配信やオンライン説明会などで自校をアピールするが、6月は進路選択の第一歩という位置付けだけに、生徒の志望校選びの遅れを懸念する声が出ている。

 府教育委員会は7~27日に府立高校の通学圏ごとに予定していた合同説明会を中止した。多くの中学生や保護者が訪れるため感染リスクが高いと判断した。例年は6月に合同説明会、8月に学校ごとの説明会が開かれ、秋から志望校選びが本格化するというスケジュールだが、高校教育課は「8月も夏休みの短縮で各校の学校説明会が重なる場合が出るかもしれない。できる限り生徒の判断材料となる情報は提供したい」とする。

 府私立中学高等学校連合会も今月14日の私立中学・高校合同説明会「来て★見て★発見!私学フェアKYOTO」を中止にした。同連合会は「国や府の助成金などの情報を早く保護者らに伝えることができず、私学を選択する人が減るかもしれない」と危惧する。

 合同説明会がなくなり、各校は独自のアピール方法を模索する。

 府立北嵯峨高(京都市右京区)は6日に予定していた学校説明会を中止した代わりに学校を紹介する動画を作成した。行事や部活動などの様子を12分間にまとめホームページに掲載した。同高は「中学3年生は足を運んで説明を聞くことができず不安だと思うので、少しでも情報や学校の魅力を届けたいと考えた」とする。私立高校はオンラインでの「オープンスクール」として学校の様子を動画で配信し、個別の相談にはビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って対応する学校が増えている。

 ただ異例のスケジュールに保護者らからは不安も出ている。中学3年の息子がいる右京区の女性(38)は「学校から今月1日までに志望校を書いて出すよう言われたが、休校で進路指導の授業がなく、学校説明会もないので話が聞けない。家から近いか遠いかくらいしか分からず、本人も受験生という意識がなかなか高まらない」と困惑する。

 府中学校長会長を務める園部中(南丹市)の國府常芳校長は「6月は進路選択の基盤づくりの時期だが、情報が入ってこないと生徒は志望校のイメージを持ちにくくなり、地に足を着けた判断ができなくなる。中学からは積極的に学校紹介のDVDなどで情報提供し、生徒にはしっかり高校の資料を読むよう促したい」と話す。