韓国から日本にお嫁に来られた生徒のイさんからは、いつもご実家のソウルの家庭料理のレシピが聞けて、お会いするのが毎月の楽しみです。

 先日もお稽古の後に慣れた手つきで梨の蜂蜜漬けを作って皆さんに振る舞ってくれました。梨を皮付きのまま縦半分に切り、断面に黒こしょうの粒を指先でぐいっと埋め込み、かぶる程度の水と蜂蜜、皮付きのショウガの薄切りと共に、軟らかく煮るだけ。透明感のある果肉をスプーンですくい、煮汁を熱いうちに飲み干します。「韓国では風邪の特効薬なんです」。なるほど、次第に体がポカポカと温まって頰がポッと艶やかに高揚してくるのがわかるほどです。

 梨は体を潤してくれるだけでなく、咳(せき)止め効果も期待できます。この時季一度は梨を買ったり、おすそ分けされたりと目にすることもあるでしょう。思い出したらぜひ作ってみてください。これからやって来る寒い日々を乗り越える冬支度として。

小平泰子

こひら・やすこ 1977年京都市生まれ。旬の食材を使い、和食にとらわれず、食材の組み合わせの面白さを提案したレシピを考案。中京区烏丸三条と東京・日本橋で料理教室を開く。近著に「季節の野菜と果物でかんたんおつまみ」がある。インスタグラムはyasukokohiragokan