白みそはその昔、宮中でお砂糖の代わりだったそうで、お公家さんがその優しい甘さに舌なめずりするのもうなずけます。

 そういえば祖母は収穫したお米をおみそ屋さんに預け、米麹(こうじ)にしてもらっていました。丸1日かけて大豆を軟らかく煮て、米麹を担いでやってくるみそ屋さんを待ちます。そしてその大豆と麹を幼子の私がすっぽりと収まるような大きな臼で合わせて、皆でめでたい掛け声のようなお歌を歌い、みそを作っていく作業を見ていました。今では貴重な光景ですよね。

 わが家ではお雑煮やお菓子だけにとどまらず、京言葉で「てっぱい」という名の付くぬた、田楽みそ、はたまたクリームソースの代わりに使ったりと、お公家さんが私の台所の様子をのぞくと目を丸くなさるのではないでしょうか。肌寒くなってきた今日この頃。白みそを使ったレシピ、これからちょこちょこ載せていただきますので、お楽しみに。

小平泰子

こひら・やすこ 1977年京都市生まれ。旬の食材を使い、和食にとらわれず、食材の組み合わせの面白さを提案したレシピを考案。中京区烏丸三条と東京・日本橋で料理教室を開く。近著に「季節の野菜と果物でかんたんおつまみ」がある。インスタグラムはyasukokohiragokan