大阪高裁

大阪高裁

 滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性=当時(69)=が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」の第2次再審請求で、大阪高裁の即時抗告審の裁判長が、第1次再審請求審で大津地裁裁判長として棄却決定を出した長井秀典裁判官に交代したことが分かった。強盗殺人罪で無期懲役が確定した阪原弘元受刑者=2011年に死亡=の弁護団は18日、「裁判の公正さを欠く」として、辞退の申し出を文書で要請する意向を示した。

 長井裁判官が12日付で岡山家裁所長から日野町事件を担当する同高裁第2刑事部総括判事に異動したことに伴う措置。長井裁判官は06年3月、大津地裁での第1次再審請求審で、阪原元受刑者の捜査段階での「自白」の信用性を認めるなどし、再審請求を退けた。

 刑事訴訟法では、通常の一審、二審の公判を担当した裁判官が上級審の審理に関わることを禁じている。一方、再審については規定がなく、1959年の最高裁判例では、通常審の限りではない、とされた。刑事訴訟規則では不公平な裁判の恐れがある場合などは、裁判官は担当を外れなければならないと規定している。大阪高裁は18日、「裁判体の構成に関することは答えられない」とした。

 伊賀興一弁護団長(71)は「でたらめな判断で公平な裁判を受ける権利を保障した憲法に反している。一度有罪の心証を持った裁判官に公正さは求められず、審理から外れるべきだ」と批判している。近く、長井裁判官に辞退の申し出を求める文書を送り、同高裁にも文書で裁判官の公平な配置を要請するとしている。