インフルエンザが勢いを増している。

 厚生労働省が、一つの医療機関当たりのインフルエンザ患者数が警報レベルの30人を超えたと発表した。高齢者施設や病院などで集団感染が相次ぎ、32都道府県で警報レベルに達し、今後も患者の増加が懸念される。一人一人が予防を徹底して大流行を回避したい。

 厚労省は全国約5千の病院などで感染状況を定点観測しているが、7~13日の1週間に推計約163万人の患者が受診した。患者は約58万人だった前週に比べて3倍近く増え、1医療機関当たりの患者数は38・54人となった。

 年明けから患者が急増していた京都府は35・50人と過去10年で最も早く警報レベルを上回り、滋賀県も39・79人に上った。本格的な流行期に入ったとして府と京都市は16日に、滋賀県も17日にインフルエンザ警報を発令した。

 気掛かりなのは集団感染だ。

 休校や学級閉鎖が相次いでいる上、兵庫県内の養護老人ホームで入所者らが次々とインフルエンザに感染し、発症後に7人が死亡するなど集団感染が後を絶たない。京滋でも南丹市内の介護老人保健施設などで感染が相次ぎ、高齢者が亡くなったのは痛ましい。

 お年寄りはもともと抵抗力が弱く、肺炎や持病の悪化などで重症化する場合がある。職員だけでなく見舞いで訪れる人も十分に注意を払う必要がある。体力のない乳幼児がかかると脳炎や脳症を起こしやすく、保育所などでも感染予防に万全を期してもらいたい。

 インフルエンザは例年、冷え込みが厳しく、空気が乾燥する1月末から2月上旬にかけて流行期を迎える。感染経路は主にせきやくしゃみで、それに含まれるウイルスを吸い込んだり、接触した指が口や鼻に触れたりして感染する。人混みでは必ずマスクを着用し、外出後は手洗いを励行したい。

 乾燥した状態でウイルスは活性化しやすいため、加湿器などで室内の湿度を保ち、適切な換気にも気を配りたい。過労や睡眠不足を避け、栄養を取ることも大切だ。とりわけ入試本番を迎えた受験生には予防を徹底し、ベストな体調で試験に臨んでほしい。

 ワクチンは重症化を防ぐのに有効とされるが、完全には感染を防げないことを知っておく必要がある。実際、集団感染が起きた南丹市の老健施設では入所者や職員全員が予防接種を受けたが、感染を防げなかった。過信せず予防策の基本を守ることが重要である。