新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除されて約1カ月。各地の地方議会で6月定例会が開かれている。未曽有の事態に直面した行政の施策を点検し、住民の声を届ける議会の役割はいつにも増して重要だ▼ところが滋賀県の19市町議会の多くは今も市民の傍聴を制限したり、議員の質問を簡素化するなどの対応を続ける。密集など「3密」の回避や、市幹部の答弁の負担を減らしてコロナ対策に集中してもらうとの理由だ▼傍聴席の間隔を空けるなど配慮は当然だが、9議会は傍聴自体を認めない。近江八幡市は「ネット中継がある」と報道陣も閉め出した▼議会運営も「自粛」が目立つ。大津市は議場に入る議員数を半分に絞り、一般質問の時間も半分に削った。質問を文書のやり取りに代えたり、具体的な審議を行う委員会を開かない市町もある。こうなると議会の本分をどこまで果たせるのか心配になる▼無論、危機管理は大切だ。だが二元代表制の重みを自覚するなら、首長のトップダウンが増える非常時こそ議会の使命を最大限果たす方法を見いだせないか▼企業では感染防止に伴う困難をプラスに転じようと多様な試みが進む。他府県の議会ではウェブ会議導入の動きもある。縮小中止だけでは自らの存在を「不要不急」と認めるのに等しい。