プレジャーボートの転覆事故で、救助された人たちに話を聞く警察官ら(7日、大津市・近江舞子中浜水泳場付近)

プレジャーボートの転覆事故で、救助された人たちに話を聞く警察官ら(7日、大津市・近江舞子中浜水泳場付近)

救命胴衣の着用徹底などを求めるチラシ

救命胴衣の着用徹底などを求めるチラシ

 琵琶湖は本格的なレジャーシーズンに入り、滋賀県警が船舶事故や水難事故への注意を呼び掛けている。大津市北小松沖では7日にプレジャーボートが転覆する事故が起きたばかり。大阪市の男女13人全員が救助されたが、数人は県条例で義務づけられた救命胴衣を着けていなかった可能性があり、ボートも定員オーバーだったとして、県警は船舶安全法や同条例違反の疑いもあるとみて捜査している。県警は「ルールを守ることが、命を守ることにつながる」として周知の徹底を図る。

 「あのヨット事故を思い出し、ぞっとした」。7日の事故の一報は、船が転覆し乗船者十数人が安否不明―との内容だった。県警幹部は、2003年9月に琵琶湖で12人が乗っていたヨット「ファルコン」が転覆し、子どもら6人が死亡、1人が行方不明となった惨事が脳裏をよぎったという。事故を契機に、県は琵琶湖等水上安全条例を改正。救命胴衣着用の義務化や、酒酔い運転禁止など懲役刑を含めた刑事罰を科す罰則規定を設けた。
 事故原因について、県警は当時の風や波、天候の影響も含めて調べている。定員10人のボートには4~41歳の13人が乗船。船舶安全法施行規則で「0・5」人と計算する12歳未満が3人おり、「11・5」人となるほか、乗船者らは「ウエイクボード中に水が船内に入ってきた」と話しているといい、詳しい状況を聞いている。船舶事故の行政処分などを管轄する神戸地方海難審判所も事故の調査を開始した。
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 船にけん引されるウエイクボードは近年人気で、県警地域課によると、14~19年に琵琶湖で起きた船舶事故のうち、ウエイクボードを含む「水上スキー等けん引」中の事故は41件。ボード中に、けん引する船のひもが腕に絡まるなどして転倒するケースもあった。船がつくる波を大きくしようとして後部に重しを置く乗船者もいるがバイクのウイリーに近い不安定な体勢になる恐れもあるといい、注意が必要という。
 過去5年間の船舶事故者(船舶と衝突した遊泳者を除く)573人のうち、救命胴衣着用率は約9割と、県警は条例によって一定の意識づけは進んでいるとみている。
 しかし、死者12人行方不明者1人のうち、非着用者が5人おり、7日の事故でも救出時に数人が着用していなかったといい、引き続き、着用の徹底を図る。
 琵琶湖では今年すでに10件(前年同期比5件減)の船舶事故が発生。同課は「コロナの影響で事故が減った可能性があるが、県外移動の自粛解除も始まり、県内外から多くのレジャー客が来るとみられる。楽観視はしない」と警戒する。県警と県水上安全協会は、救命胴衣の着用や悪天候時の出航取りやめなどを求めるチラシを作り、マリーナや釣り客らに配布している。