唐板を生かしたアイスもなかを手にする溝口さん。バニラや抹茶の風味と砕いた唐板が独特の味わいを醸し出す(南丹市園部町)

唐板を生かしたアイスもなかを手にする溝口さん。バニラや抹茶の風味と砕いた唐板が独特の味わいを醸し出す(南丹市園部町)

 400年の歴史を誇る京都府南丹市園部町の焼き菓子「唐板(からいた)」を生かしたスイーツ「唐板アイスもなか」が話題だ。アイスと、砕いた唐板が独特の食感と風味を醸し出す。同町の町家で19日から常時の販売を始めた女性は「スイーツをきっかけに、若い人たちに唐板を知ってほしい」と語る。

 唐板は、1500年代後半に豊臣秀吉が朝鮮出兵を行った際に、園部藩主の小出家に仕えた大槻惣右衛門房邦が飢えをしのぐために考案。小麦粉と朝鮮あめを使って焼き上げたのが始まりと伝わる。

 唐板アイスもなかは、市内外のイベントでカレーや飲み物を販売する同町の溝口砂千子さん(61)が手掛ける。ぱりぱりした食感と、ニッキやゴマの風味が特徴の唐板に「食べたことのない味」とやみつきになり、魅力をより広い層に知ってもらおうと、この逸品を生かしたスイーツ作りに乗り出した。唐板ファンの知人を交えて試行錯誤。唐板に合うバニラや抹茶のアイス、もなかの生地を探し、試作を重ねた。

 園部藩立藩400年を記念した2019年5月の祭りで初めて売り出したところ、100個が完売。他のイベントでも人気を博し、若い世代に広がる手応えを得た。唐板を作る同町上本町の「かどや老舗」の大槻光生さん(71)は「若い人で唐板を知っている人が少ない。アイスもなかは良いことだと思う」と話す。

 19日から、同町宮町の改修した町家を拠点に営業。火~土曜に1個380円で販売する。溝口さんは「若い層に唐板のおいしさをアピールし、食べて笑顔になってほしい」と願う。