2014年6月12日、京都府北中部の広い範囲でひょうが降った、こぶし大の氷の塊が降ってきた地域もあり、民家の屋根やガラスが損壊したり、ビニールハウスなどに被害が出たりした。
京都地方気象台によると、京都府では12日午後、大気の状態が不安定になり、各地で積乱雲が発達。ひょうは、積乱雲内の猛烈な上昇気流によって氷の粒が、地上へ落下せずに上下降を繰り返し、成長したとみられる。
京丹波町下山では、12日午後4時半ごろからひょうが降った。男性(76)の衣料店では、プラスチック製の日よけに直径10センチ大の穴がいくつも開いた。隣接する自宅も窓ガラスが割れ、ガレージのスレート屋根に穴が開いた。
男性は「警報が出た直後にバンバンと音がし、こぶし大のひょうが降ってきた。妻が商品を店内に入れようとしたが、当たれば命に関わると思い制止した」と話した。
府南丹農業改良普及センターによると、京丹波町保井谷ではひょうがビニールハウス2棟の屋根を破り、トウガラシに被害が出た。同町富田でも育苗ハウス4棟が突風で倒壊した。ハウス内に作物はなかったという。南丹市や福知山市、京都市右京区、左京区でも農作物などへの被害が相次いだ。
各地のアメダスでは、午後5時47分までに、綾部市睦寄町で6月の観測史上最大の1時間雨量となる51・5ミリを観測した。
ひょうによる被害は、過去には人命を奪ったこともある。1933年6月、兵庫県中部で暴風や雷をともない、直径4 - 5cmの雹が降った。人的被害は、死者10人、負傷者164人に上り、日本最大のひょう害とされる。
気象学上は、上空から降ってくる氷の粒の直径が5ミリ以上のものがひょう、5ミリ未満のものがあられと呼ばれる。