天ケ瀬ダム(奥)一帯の観光拠点化に向け、市の調査でリノベーションやホテル設置の可能性が示された旧志津川発電所(左)=宇治市志津川

天ケ瀬ダム(奥)一帯の観光拠点化に向け、市の調査でリノベーションやホテル設置の可能性が示された旧志津川発電所(左)=宇治市志津川

 京都府宇治市は19日、宇治川の天ケ瀬ダム一帯を同市の新たな観光拠点にするため、周辺にある旧志津川発電所や天ケ瀬森林公園、旧ガーデンズ天ケ瀬跡地の3カ所を一体的に活用した官民連携事業の実現性を調査した結果を公表した。一部民間事業者から、2024年に築100年を迎える同発電所をリノベーションして空き地にホテルを設置するなど、参画意向があった。市は今後、実際に事業化できるかを施設所有者らと協議して判断する。

 同市では観光客が平等院などがある中宇治地域に集中し、周遊観光の開発が課題となっており、インフラツーリズムが近年推進されている天ケ瀬ダムに着目した。同ダムは国と市による「かわまちづくり」事業で、ダムを直下から見る広場や遊歩道の整備が盛り込まれており、市は周辺整備の可能性についても19年度に調査した。
 赤れんがの外観を持つ旧志津川発電所は1924(大正13)年に開業したが、64(昭和39)年に天ケ瀬ダム供用開始とともに利用を停止し、関西電力が所有している。
 調査では民間事業者の開発意向を聞き取ったところ、空いた敷地に客室80室程度のホテルを建て、旧発電所の一部をホテルのロビーやレストランに改修できるとの考えが示された。
 調査結果ではほかに、市の天ケ瀬森林公園にアスレチック施設、レストランだった旧ガーデンズ天ケ瀬跡地は駐車場にできるとした。3施設を一体的に整備・管理運営するには官民連携の仕組みが有効とした上で、全体の整備費は国の補助6億円を見込んで16億円と想定した。
 調査結果を報告した市議会市民環境委員会では、一部の市議から、新型コロナで海外観光客が減っている状況や、市税の使途のあり方に対して疑問が出たが、市は同発電所の耐震診断も必要とした上で、「事業に取り組むかはまだ決めていない。市政の他分野への市税配分も見ながら検討する」とした。