金属イオンと有機化合物でできたジャングルジムのような構造の多孔性金属錯体(さくたい)(PCP)で、複数のガスが混在した中から目的とするガスだけを分ける新たな手法を開発したと、京都大のグループが発表した。ガスの種類による吸着速度の差を利用した。低コストでの温室効果ガスの分離など、産業への応用が期待できる。米科学誌サイエンスに25日掲載される。

 PCPは1ナノメートル(ナノは10億分の1)の穴がたくさん開いたジャングルジムのような構造をしている。ガスの分離には吸着力や吸着速度の違いを利用する手法があるが、速度の差を活用する場合での具体的なやり方はまだ発展途上という。

 物資-細胞統合システム拠点の北川進特別教授と東京大の細野暢彦講師らは、PCPの各穴の近くに、高熱になるほど速く振動する分子を付け、PCPの穴を閉じたり開いたりできるようにした。実際に、アルゴンと酸素という大きさが近いため従来では分離しにくかった2種類の気体を通すと、PCPの中に入りやすい酸素だけを吸着できた。

 細野講師は「簡単にガスを分離できる技術を開発できた。さらに改良して、実用化につなげたい」と話している。