日本の首都のリーダーを決める選挙である。有権者は1千万人を大きく超え、国内最大の首長選ともなる。地域の将来を見据えて、実のある論戦を繰り広げてもらいたい。

 東京都知事選が告示された。投開票は来月5日。無所属現職の小池百合子氏に、れいわ新選組の山本太郎、無所属の宇都宮健児と小野泰輔、諸派の立花孝志の各氏ら新人が挑む。

 小池氏の信任投票のかたちになった、ともみられている。

 争点は、新型コロナウイルス対策と、感染拡大の影響で来年に延期された東京五輪・パラリンピックへの対応とされている。

 小池氏は、感染の第2波に備えるため、万全の医療・検査体制を確保したうえで、経済活動との両立を図ると訴えている。五輪は簡素化して開催する考えだ。

 新人の各氏らは、コロナの影響を受けた都民の救済や、五輪の再延期、中止などを唱える。

 コロナ対策は、喫緊の課題である。五輪開催について、都民の意思を改めて確認するのも大切である。議論がさらに、深まることを期待したい。

 ただ、東京都という地域が、今後どうあるべきかといった観点から、多様な政策が示されているとはいえないようだ。

 これは、都民はもちろん、ほかの道府県の住民にとっても、残念なことである。

 少子高齢化に伴い、日本の総人口は減少し続けている。一方で、東京圏(千葉、埼玉、東京、神奈川)への人口流入は増えており、昨年は日本人だけで14万6千人の転入超過だった。

 都内には、企業の本社や大学が集まっているからだ。

 こうした中で、コロナ禍が起きた。すると、国内で感染が確認された人の約3分の1は、都民という状況になった。人の過密がもたらした弊害ではないか。

 東京一極集中の是正は、国全体にとって急務であるとともに、都民にとっても、必要となっているのだろう。

 感染拡大に伴う緊急事態宣言の全面解除後も、テレワークを活用した働き方を、社員に継続させる企業が多くみられる。通勤の負担を減らし、家庭で過ごす時間を増やす新たな生活様式である。

 これを促す政策を打ち出せば、一極集中の是正も可能となるかもしれない。コロナ後の東京都の都市像について、各候補はもっと多く語るべきだ。