給食の時間に間隔を空けて座る園児たち。食べる直前までマスクは外さない(京都市伏見区・桜木こども園)

給食の時間に間隔を空けて座る園児たち。食べる直前までマスクは外さない(京都市伏見区・桜木こども園)

 新型コロナウイルスの影響は、大勢の子どもたちが過ごす保育の現場も揺さぶっている。給食や外遊びは以前と様変わりし、保育士は感染防止に神経をすり減らす。にもかかわらず、国や自治体からの支援は決して十分とは言えない。試行錯誤を重ねる京都市の保育所を取材した。


 伏見区の「桜木こども園」。コロナ禍以降、園内の風景は一変した。給食の時間もその一つ。食事前には、保育士が園児の手に消毒液を吹き掛けて回る。かつてはにぎやかに食事を楽しんでいたが、今は少人数で静かに机を囲む。園庭での外遊びはクラスで時間を分け、2歳以上はマスクを着用。うがいは水の飛び散りを防ぐため、座ってするようになった。

 京都府に緊急事態宣言が発令された4月中旬、同園は独自に新型コロナの対応策をまとめた。トイレはグループを分けて使うこと、室内活動は座席表を作ること、昼寝は子どもの頭と足が交互になるよう配置すること―。各部屋の入り口には、机やドアを消毒した時間を記す点検表も掲げた。

 片山定嗣園長(75)は「保護者に安心感を与えるためにも、目に見える取り組みは大切。行政から具体的な対策は示されず、現場の職員が手探りで対応してきた」と振り返る。

 それでも、不安はぬぐえない。おもちゃや指を口に運びがちな子どもへの目配りに加え、ドアや机、椅子の小まめな消毒も必要だ。保育主任の河嶋恵子さん(41)は「子どもから目が離せない状況で、隙間を見つけて消毒しないといけない。小さな命を預かる身として緊迫感もあり、保育士にも疲れが出ている」と明かす。

 本格的な夏を前に、冷房中の換気やプール、地域の交流行事の在り方など、検討すべき課題は山積する。片山園長は「登園前の検温など各家庭にも協力してもらっているが、ウイルスは目に見えず、持ち込まれたらどうしようもない。保育によって子どもの発達を保障する必要もあり、現場で考えて工夫していくしかない」と語る。