アーチェリーの五輪テスト大会で、米国のブレイディ・エリソン選手(左)と対戦した上山友裕選手=7月、東京都江東区・夢の島公園アーチェリー場

アーチェリーの五輪テスト大会で、米国のブレイディ・エリソン選手(左)と対戦した上山友裕選手=7月、東京都江東区・夢の島公園アーチェリー場

 来夏、東京五輪が終わると約2週間後の8月25日、東京パラリンピックが始まる。開幕が近づくにつれ、新聞やテレビでパラアスリートを見る機会が増えてきた。ただ、五輪に比べてパラリンピックへの関心はまだ高くない。障害者スポーツというと、ハンディに向き合いながら奮闘する姿が強調されがちだが、トップ選手の競技レベルは高く、見応えがある。健常者でも障害者でもアスリートとして自身の限界に挑み、頂点を目指す姿勢に差はない。

 パラアーチェリー男子で東京大会に出場する上山友裕選手(32)=三菱電機、同志社大出=もメディアに引っ張りだこだ。同大でアーチェリーを始め、卒業後に両下肢機能障害を発症、パラに転向した。70メートル先の的を狙うリカーブが専門で、前回リオデジャネイロ大会で7位入賞。東京大会は「満員の会場で金メダル」を狙う。

 7月、本番と同じ会場で来夏のテスト大会が開かれた。競技の特性上、健常者と障害者でルールの違いが少ないため、テスト大会は五輪とパラリンピックの両方を兼ねて行われ、上山選手はリオデジャネイロ五輪銅メダリストのブレイディ・エリソン選手(米国)と熱戦を展開し、注目を集めた。

 アーチェリーに限らず、健常者と障害者のスポーツの垣根は低くなっている。陸上短距離で義足のオスカー・ピストリウス選手(南アフリカ)は、2012年のロンドンで五輪とパラリンピックの両大会に出場。走り幅跳びで義足ジャンパーのマルクス・レーム選手(ドイツ)は健常者でも世界トップクラスの8メートル超のジャンプを跳ぶ。

 それでも、世間の関心は五輪と温度差がある。大会組織委員会は全会場を満員にする「フルスタジアム」を目指しているが、パラリンピックチケットの1次抽選販売専用サイトへのアクセス件数は累計約135万件で、五輪の約2425万件には遠く及ばなかった。

 障害者は運動する上で体の機能に制約があり、健常者と同じ動きをすることは難しい。ただ、これまでの取材でパラアスリートが目標に向かって努力する姿は健常者と変わらないと感じる。見るスポーツとしても、京都で毎年行われる車いす駅伝はスピード感やハンドリング技術など見応えがある。前回リオ大会で日本が銀メダルを取ったボッチャは、高い戦略性が求められるなど競技ごとの魅力は尽きない。

 東京パラリンピックでは22競技で540種目が実施される。五輪より多い種目数は、選手それぞれの個性や見どころの多さといえる。パラリンピックという名称が初めて公式に使われた1964年東京大会から56年。2度目の東京には史上最多の4400人のパラリンピアンが集う。世界最高峰の多彩なパフォーマンスに注目してほしい。