西院によく行くようになったのは大学を卒業して今出川に引っ越してからのことだ。自転車ですぐに行けるような距離になり、練習スタジオも四条大宮にあった。好きな居酒屋に好きな焼き肉屋、もうなくなってしまったけど夜遅くまでジェラートが食べられたお店。そんな風にこの町のことを好きになる前から通っている場所がある。それがTSUTAYA西院店だ。

 当時、1階はCD販売、2階はレンタルフロアになっていて、ヴィレッジヴァンガードが隣接しているのもとてもワクワクした。とにかく輸入盤の品揃(ぞろ)えが豊富で、雑誌でも目にしたことがなかったようなUSインディーズのCDが試聴機にたくさん入っていて、よく夜遅くに行っては片っ端から聴いていた。当時はまだブルックリンの音楽が流行(はや)っていたのを覚えている。風景と音楽はセットになって残るのだ。

 最近では見に行くたびにCDコーナーが小さくなってしまうのが寂しいし、気が付かないうちにヴィレッジヴァンガードも閉店してしまっていたけど、今でもあの町にはたくさんの映画や音楽が誰かの手に取られるのを今か今かと楽しみにしているのだ。