2年前の夏、ライブなどの予定がない時間の大半といってもいい時間を僕はBiVi二条で過ごした。二条駅のすぐそばにある商業施設で、1階は飲食店と書店、2階は大きなゲームセンターで3階は駐車場、4階が映画館になっている。

 当時付き合っていた恋人が西院の近くの会社に勤めていて、大抵この場所で落ち合ってご飯を食べたり、レイトショーの映画を観たり、コインゲームで遊んだりした。夏の間のほとんどの週末はフェスやライブで埋まってしまうので、平日の短い夜が僕たちにとってとても大切な時間だった。

 数え切れないくらいたくさんの映画を観たし、数え切れないくらいの枚数のコインを僕たちはゲーム機に投げ入れた。平日のコインゲームコーナーは暇を持て余したおじいちゃんやおばあちゃんたちの交流の場所になっていて、僕たちはコインを分けてもらったりゲームのコツを教わったりと可愛がってもらっていた。多分僕たちはずいぶんと子供に見えたのだろう。

 久しぶりに足を踏み入れたコインコーナーは他のゲームに押されて少し狭くなっていたけど、僕たちが好きだった古ぼけたゲーム機は今も変わらず寂しそうに隅っこに立っていた。