ハッピー六原、六波羅飯店がある坂道を清水寺方面に登っていくと、徐々にお土産屋さんやカフェなどが目立つようになり、生活がある町と観光地としての町が混ざりあっていく。

 平日の夕方でも賑(にぎ)やかで京都に住む僕でも少しワクワクするような場所にひっそりとたたずむ、やけにかしこまった建物がある。

 東山青少年活動センターは、何年にも渡ってたくさんの音楽の楽しみが弾(はじ)ける瞬間を見守ってきた場所だ。1時間2500円ぐらいの普通の練習スタジオに比べて、センターの練習スタジオは1時間500円ほどで借りられる。

 もちろん機材の種類が多いわけでもないし、マイクも自分でセッティングするし、部屋の中は土足厳禁だ。エフェクターのスイッチを靴下で踏む時のあの痛みは、センターで練習したことがあるギタリストみんなにとって、とても大事な思い出だろう。

 夕日に照らされたバス停の前で、ギターやキーボードを背負った学生服の女の子や男の子が缶ジュースを飲みながら、少し興奮気味にこれからどこにご飯を食べに行くのかを決めている。どこに行っても大丈夫。この先もずっと思い出せるような楽しい時間がそこにはあるはずだから。