17日に発売になったHomecomingsの新曲『Cakes』は、今週公開の映画『愛がなんだ』の主題歌として書き下ろした楽曲だ。今泉力哉監督の映画は『サッドティー』や『パンとバスと2度目のハツコイ』など、物語や感情の描き方の温度感が大好きだったので、話をいただいてとても嬉(うれ)しかった。

 主演の岸井ゆきのさん、成田凌さんはもちろん若葉竜也さんや深川麻衣さんの演技も本当に素晴らしくて、平熱の下で波打つ寂しさや「ふつう」といわれるような恋が持つそれと何ら変わりのない胸をざわつかせる喜びが、小さな表情や仕草(しぐさ)に込められていて物語の中に入り込んでしまう。

 登場人物の誰もがこれは自分の歌なんじゃないか、と思えるような歌にしようと歌詞を書いた。『Cakes』というタイトルは、このコラムでも書いた出町柳のミスタードーナツで、残っていたエンゼルクリームのひとかけらを口にいれた瞬間に浮かんできた。肌と肌の生々しい恋愛の感触と寂しさと優しさを表現した歌詞に、これ以上ないぐらいピッタリだと思う。メインビジュアルの写真のような瞬間に降るようなメロディもとても好きです。