穏やかで静かで、ぽつんとした寂しさがそっと漂う宝ケ池の町で京都に来てからの4年間を過ごした。夜になると、マクドナルドの黄色の看板以外は街灯だけが点々と続いていて、遅い時間までよく一人で散歩をした。しんとした町を歩きながら聴く音楽は本当に特別で、その感覚は今もずっと大事にしている。

 もうひとつ大事に思っているのが、グリル宝という洋食屋さんだ。国際会館駅からすぐにある赤いレンガ造りのお店は、雑誌にはほとんど載ることはないけれど、僕にとって、そして僕たち4人に、もっというとあの町で生活をする、していた人たちにとって、とても大事な場所なのだ。

 少し急な階段をのぼると、綺麗(きれい)に日が入る大きな窓とどこか懐かしいテーブルや椅子、美味(おい)しそうな匂いがそこにある。おすすめは窓際の席だ。特別な景色ではないけれど、ここからの眺めは料理に本当に合う。そして絶対に食べてほしいのがチキンコルドンブルというメニューだ。どんな料理かは新しいシングル『Cakes』のブックレットを見てほしい。すぐに食べたくなるはず。

 僕たちの大事な景色は僕たちの音楽と一緒になり、あなたの元に届くのです。