四条大宮には僕たちが使っているスタジオがある。Homecomingsを結成したのは大学のサークルだったので、卒業するまで部室で練習したり曲を作ったりしていた。一番最後に部室で作ったのは「I WANT YOU BACK」という曲で、今でもよくライブで演奏する。部室での思い出がこの曲の中に残っているような気がして、演奏しながらふと、昔のことを思い出したりもする。そういうものが曲の中にあるのは嬉しい。

 『Somehow Somewhere』『Sale Of Broken dreams』という2枚のアルバムは、四条烏丸にある小さなスタジオで作った。大学を卒業してからの不安と少しの期待でずっと落ち着かなかった日々のことと狭いスタジオの風景が2枚のアルバムがもつ寂しい匂いの中に含まれていて、演奏するたびにこの場所のことを思い出す。

 四条大宮で『Whale Living』というアルバムを作ったのは去年のこと。まだ懐かしい匂いはしてこないけれど、いつか遠くの町で住むようになったとき僕たちはこの町のことを思い出すのだろう。この曲を演奏するたびに。