初めて京都シネマで映画を見たのは大学4回生の時で、ウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』だった。今思うと同じCOCON烏丸にあるα-stationでその映画から名前をとった番組を担当しているのだからなんだか不思議な縁だ。

 大学を卒業するまでは、京都の端っこに住んでいたのでなかなか映画館に行くこともなく、映画を見るのは大抵大学の情報館という場所だった。高校生まで住んでいた地元の町にも映画館はなかったので、映画をスクリーンでみる、ということが体に馴染(なじ)んだのは大学を卒業して今出川に住むようになってからだ。そのころにあった映画館はなくなったり、形を変えたりしてしまったけれど京都シネマはまだあの頃のままだ。

 のちに映画の上映イベントで取り上げた『スモーク』も『ヴィンセントが教えてくれたこと』もこの映画館で見た。最近は忙しくなって、映画館に行くことができなくなってしまい、会員の延長もいつの間にか忘れてしまっていた。毎月届いていたスケジュール表が来なくなった部屋のポストはなんだか少し寂しそうで、ごめんよ、という気持ちになってしまう。