忙しさにかまけて会員の更新をしそこなった僕だけど、それでもゆっくりとしたペースで京都シネマに足を運んでいた。

 大学時代に見てあまりの衝撃にあまり見返したくない映画になっていた『A』『A2』だったり、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』や『レディ・バード』だったりと、一度見たことがあるけれど、もう一度スクリーンで見てみたいと思った映画が多かった。

 京都シネマの経営難のニュースを聞いた時、新しい映画をあまり見に来ていなかったことに対して、なんだか少し悪いことをしているように感じてしまった。

 自分が好きな場所やモノがだんだんと時代の隅っこに追いやられるのを見て見ぬふりをしていたように思ったのだ。映画館にも映画にも僕は計り知れない数のひらめきや思い出、新しい気持ちをもらってきたのだ。

 韓国の『バーニング』という映画を見終わって、ロビーからエスカレーターで一階まで降りる間、僕は体中の血がどくどくと波打っているように感じた。スクリーンで見るべき映画はこれからも生まれ続けるのだ。そしてそのスクリーンはもはや当たり前のものではなくなり始めている。