廃業し、施設の撤去が始まった養豚場(南山城村北大河原)

廃業し、施設の撤去が始まった養豚場(南山城村北大河原)

 京都府南山城村北大河原の養豚場からの臭気に対し、周辺の月ケ瀬ニュータウンの住民が対策を求めていた問題で、村と経営農家が廃業で合意、撤去作業が始まった。近くで道の駅が開業したばかりで、村が早期解決を模索していた。ニュータウンへの入居から30年以上続いていた懸案に、ようやく終止符が打たれた。

 養豚場は、ニュータウンと道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」からそれぞれ約200メートルの場所にあり、ニュータウンの入居が始まった1977年以前から操業していた。
 入居した住民から村に臭気対策を求める声があり、ニュータウンへの住宅建設も滞ったことから、村議会でも議論になった。2009年にはニュータウンに住む河内家菊水丸さんが「村の対策で改善が見られない」とし、抗議として「ふるさと納税」を大阪府八尾市に納め、話題になった。
 村は2月に経営農家と廃業に向けた覚書を交わし、跡地利用を協議している。農家が隣接する茶園経営を継続する一方、養豚場跡地約6千平方メートルのうち一部を除いて村が取得する方針。高齢者向け住宅の建設などを検討しており、手仲圓容(かずよし)村長は「ニュータウンに新たな移住者が来ることも期待している」と話した。
 養豚場を経営する男性は「先代から続けてきた仕事で断腸の思いだが、村の将来を見据えて廃業を決めた」という。
 月ケ瀬ニュータウンの森原三朗自治会長は「長年取り組んできた問題が解決し、住民としてうれしい。これをきっかけに新しい住民が増えれば」と期待した。