水草が異常繁茂した二条城の外堀。景観を悪くする「外敵」の攻勢にさらされている(京都市中京区)

水草が異常繁茂した二条城の外堀。景観を悪くする「外敵」の攻勢にさらされている(京都市中京区)

 世界遺産・二条城(京都市中京区)の外堀で、水草が異常繁茂している。管理する京都市が先ごろ、城の見栄えをよくしようと外堀を囲む生け垣などを手入れしたところ、逆に水草が水面を覆い尽くす景観がより目立つ事態になった。夏場にかけてさらに勢力を増しそうな思わぬ「強敵」の襲来。創建以来の「防城戦」へ市は懸命に策を巡らせるが、今のところ必勝の布陣は見いだせないでいる。
 市によると、異常繁茂しているのは、水底から生えるキンギョモ、水面に浮かぶウキクサ、アカウキクサの3種。3年前から見かけるようになったといい、梅雨から夏場にかけて増殖し、城の四方を取り囲む外堀(外周1・8キロ)の水面をほぼ覆い尽くすこともある。外堀と水路でつながる内堀(同0・4キロ)への侵入は確認していないという。
 市は今月までに歩道から城をよく眺められるようにと、外堀周辺を手入れした。正面に当たる東大手門の東側では生け垣を撤去。江戸時代にあったとされる木の柵に取り換え、残る三方では生け垣を高さ1・1メートルに刈り込んだ。だが、皮肉にも外堀に目立つのは水草ばかりになり、近くに住む中京区文化協議会長の宮崎健次さん(83)は「毎日のように散歩しているが、見た目が美しくない」と嘆く。
 市も対策を強化。2017年度予算に初めて盛り込んだ外堀景観向上費(入札前のため非公表)で、水草の除去作業を増やしたり、範囲を広げたりする考えだ。ただ、「異常繁茂の原因が不明な上、外堀にコイなどの魚がすむために薬剤を散布する訳にもいかない」(二条城事務所)と頭を悩ませる。
 現在の二条城は、徳川家康が創建した1603(慶長8)年以来、幕末などの戦乱を含めて一度も攻められたことがない。同事務所は「外堀で水草が大量に増殖する『夏の陣』の攻勢をしのぎ、撃退したい」と決意を固めつつ、「良い知恵や工夫といった助太刀をお願いできれば」と援軍や軍師の登場も待ちわびる。