ハザードマップ作成済みの防災重点ため池「横在戸池」(大津市上田上)

ハザードマップ作成済みの防災重点ため池「横在戸池」(大津市上田上)

 豪雨による水害リスクが高まる出水期を迎える中、滋賀県内に541カ所ある「防災重点ため池」のうちハザードマップ作成済みは300カ所にとどまり、4割以上が未作成であることが分かった。自治体への国の補助金は本年度で切れるが、大津市や甲賀市など4市は対象池の多さや人員不足、コロナ禍で説明会が開催できないなどの理由で期限内の作成が困難な見通し。県は来年度も補助金を継続するよう国に求めている。

 現時点で作成済みとしている自治体は野洲市や東近江市、日野町など7市町。彦根市や愛荘町など4市町は来年3月末までに完成予定(竜王町は1カ所廃池予定)。ため池は山間部で多く、県内の防災重点ため池の4割以上が集中する大津、甲賀両市のほか栗東市と長浜市は本年度中の完成が間に合わないという。

 国は2014年、国土強靱(きょうじん)化アクションプランで20年度までに全国でため池ハザードマップ作成率を10割にする目標を掲げた。県によると、当初はため池への防災意識が高まらずマップ作成が進まなかったが、18年の西日本豪雨でため池が決壊し、死者が出たことなどを受け、作成の動きが加速したという。

 農林水産省は同年11月、人的被害が起こりうる箇所をもれなく防災重点ため池に指定するよう選定基準を見直した。県農村振興課は「基準が変更されたことで作成対象のため池が増え、マップ作成の遅れが出ている地域もある」として21年度も補助金の継続を求めている。農水省農村振興局防災課は「全国から延長の要望は届いているが、来年度予算編成が始まっていないので未定」という。