米国の実業家がワシントン州上空を自家用機で飛行中、9個の奇妙な物体が飛んでいくのを目撃したと証言したのは73年前のきょうである。「水面をはねるコーヒー皿のような飛び方をしていた」という▼「空飛ぶ円盤」という名称は、この時の証言が元になり広がったとされる。未確認飛行物体(UFO)の愛好家らは毎年この日を遭遇の記念日とし、世界中で空の観測をしているとか▼UFOといえば、米国防総省が「謎の空中現象」として3種類の映像を4月に公開し、話題を集めた。円盤状の物体が雲の上を高速で飛んでいるかに見える映像で、2004年と15年に海軍が撮影した▼これを受け、河野太郎防衛相は「私はUFOを信じない」としつつも自衛隊パイロットが遭遇した時に備え「手順をしっかり定めたい」と述べた。対応を特段検討しないとしてきた政府見解から一歩踏み込んだ形だ▼かつて精神分析学者で心理学者のユングは、UFOとの遭遇体験について不安からの救いを求める、いわば集団的な深層心理の投影とみた。天文学の専門家は、多くは明るい星や飛行機雲、人工衛星などでは、という。実際はどうなのだろう▼電波望遠鏡などを使って地球外文明を探す試みも世界各地で進む。見つかるなら友好的な宇宙人でありますように。