
<写真に撮りたいスイーツレシピ 「オルディネール」主宰 佐藤綾>
このケーキのデコレーションは、全てふわふわのバタークリームでできています。
植物性油脂で作ったバタークリームは口溶けが悪く重たく感じられるものですが、メレンゲと香りの良いバターを合わせたフランス菓子の王道に沿ったバタークリームは、一口で広がる濃厚な風味と口溶けの良さが相まってとてもおいしいものです。
もともとはフランスで始まったと思われるバタークリームでのお花絞り。それをポップに昇華させたものがアメリカから広まり、さらに韓国でよりリアルなフラワーケーキへと進化しました。今や世界中でメジャーなデコレーション手法となりつつあります。
今回は春らしく桜をあしらっているので卒業や入学のパーティーはもちろん、ひな祭りなどの集まりにも驚きとともにきっと喜ばれることと思います。
【材料】
▽カップケーキ(6個分)
全卵 65グラム、砂糖 50グラム、蜂蜜 15グラム、薄力粉 60グラム、ベーキングパウダー 小さじ1/3、無塩バター 52グラム
▽バタークリーム
無塩バター 225グラム、卵白 70グラム、砂糖 95グラム、バニラエクストラクト 少々
▽デコレーション
食用色素 適量
【作り方】
(1)カップケーキの生地を作る。全卵と砂糖、蜂蜜を合わせてよく泡立て、薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れてよく混ぜ、溶かした無塩バターをさっとあわせる。
(2)型に流し入れて200度のオーブンで10分焼成後冷ます。
(3)バタークリームを作る。卵白と砂糖をあわせて湯煎で70度まで温めた後、氷水にあてて冷ましながら角が立つまで泡立てる。30度未満になるまで冷まし、室温に戻したバターを少しずつ混ぜる。
(4)口金(#102)でオーブンシートの上に桜形にバタークリームを絞り、冷蔵庫で固めてからカップケーキに飾る。
※バタークリームの一部に食用色素を適量混ぜれば、カラフルに。
【ポイント】
まずカップケーキのかわいさを大人っぽく撮影したいと決めたら、あえてクールな下地にします(私はよく壁紙を使用します)。さらに、アンティーク風の食器や花びらでナチュラルさをプラスして作り込み過ぎない雰囲気を目指しています。
写真にストーリー性を持たせるため、ナイフやフォークなどカトラリーに動きが出るように並べ、真上から撮影する事で満開のぼんぼり桜のような印象を与えています。
◆佐藤綾 さとう・あや 英国留学やドイツ系IT企業勤務を経て、かねて興味を持っていた製菓の専門学校で学ぶ。2007年から京都市でお菓子教室「Ordinaire」を主宰。インスタグラムはORDINAIRE_AYA