お盆を前に先祖の霊を迎える「迎え鐘」を鳴らす参拝者(2019年8月7日、京都市東山区・六道珍皇寺)

お盆を前に先祖の霊を迎える「迎え鐘」を鳴らす参拝者(2019年8月7日、京都市東山区・六道珍皇寺)

 お盆を前に先祖の霊を迎える「六道まいり」で知られる六道珍皇寺(京都市東山区)は、今年は例年通りのお盆行事を中止する。故人の名を記した水塔婆の申し込みはインターネットで受け付け、寺で回向する。精霊が宿るとされるコウヤマキの枝もネットで申し込んだ人に宅配する。新型コロナウイルス禍により、京に伝わるお盆行事もリモート(遠隔)での参拝という新たな形となった。

 平安時代の同寺一帯は葬送の地で、冥界の入り口に当たる「六道の辻」と信じられてきたことから精霊迎えの行事が始まった。先祖の霊を呼び戻すという「迎え鐘」を突いて水塔婆を納めた後、コウヤマキを手に自宅に帰って先祖の霊を迎える。毎年8月7~10日に行われ、期間中は迎え鐘の前などに数百メートルの行列ができる。
 例年通りに実施した場合は境内の「3密」を避けられないほか、迎え鐘を突く綱の消毒の難しさなどもあり、今月20日の責任役員会議で実施の可否を検討。今年はオンラインで受け付けを行い、実際には寺の僧侶が「代参」の形で法要を行って精霊を供養することを決めた。コウヤマキは寺で祈祷(きとう)したものをお盆までに届ける。
 ただ初盆を迎える家については「精霊が初めての里帰りで迷わないように必ず六道珍皇寺にお参りする」との習わしがあることから、初盆の新仏を迎える家に限って参拝を受け付ける。坂井田良宏住職は「600年以上続く伝統の行事。形は変わっても歩みを止めることなく継続していきたい」と話している。
 ネットでの受け付けは7月上旬から寺のホームページで行う。コウヤマキの受け付けは7月13日締め切り、水塔婆供養の申し込み締め切りは7月25日。