日立造船が建設運営を担う計画だったパーム油発電所の予定地(京都府舞鶴市喜多)

日立造船が建設運営を担う計画だったパーム油発電所の予定地(京都府舞鶴市喜多)

 京都府舞鶴市喜多に建設が計画されている、国内最大規模のパーム油バイオマス発電所について、建設運営を担う日立造船(大阪市)が24日、京都新聞社の取材に対し、事業から撤退する方針を明らかにした。同社は「当社の技術力を活用できる機会と考えていたが、月末までに新たな出資者が現れるとは思われず、案件は消滅すると考えている」としている。

 発電所は、同社が事業主体の合同会社から委託を受けて運営などを担い、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を活用して売電する予定で、舞鶴市も計画を推進していた。一方、地元住民や環境団体は、稼働に伴う騒音や窒素酸化物排出など住環境への影響、油の原料となるアブラヤシの農園開発に伴う東南アジアでの熱帯林破壊を懸念し、建設に反対していた。

 合同会社の出資者だった外資系企業が今年4月、共同出資者の誘致が困難として、事業からの撤退を表明。今月13日には、外資系企業を引き継ぐ出資者が月末までに現れない場合、7月から合同会社の解散手続きに入ると市などが明らかにしていた。

 日立造船は、取材に「舞鶴の案件が消滅した後、パーム油発電に自ら取り組むことはない」としている。23日に大阪市内であった同社の株主総会でも、白木敏之常務取締役環境事業本部長が同様の趣旨の回答を株主にしたという。

 地元の喜多地区環境保全委員会の大西寛治委員長(65)は「環境団体と連携して取り組んだ地元の活動が実を結んだ。今回の撤退が全国のパーム油発電の見直しにつながってほしい」と話した。