「撮り戻そうプロジェクト」の撮影風景。カメラマンの藤岡さん(右端)が安村夫妻に声を掛け、手際よく撮影していた(京都市北区)

「撮り戻そうプロジェクト」の撮影風景。カメラマンの藤岡さん(右端)が安村夫妻に声を掛け、手際よく撮影していた(京都市北区)

「写真を通して思い出を残す手伝いをしたい」と話すカメラマンの藤岡さん

「写真を通して思い出を残す手伝いをしたい」と話すカメラマンの藤岡さん

「撮り戻そうプロジェクト」で撮影された写真。スタジオCashaのインスタグラムでも一部見られる

「撮り戻そうプロジェクト」で撮影された写真。スタジオCashaのインスタグラムでも一部見られる

 新型コロナウイルスの影響でかなわなかった記念の写真を撮りませんか―。京都市左京区の写真スタジオ「アトリエ Casha(カーシャ)」が、結婚式など節目のイベントが延期、中止になった人を対象に、無料撮影を行っている。「撮り戻そうプロジェクト」と称し、写真を通して思い出や時間、笑顔を取り戻してもらう企画だ。

 「にこにこでお願いします」「もっと見つめ合ってください」。16日午後、葵橋上流の賀茂川沿い。同スタジオのカメラマン藤岡美代さん(27)が声を掛けながら、軽快にシャッターを切った。

 被写体は下京区の会社員安村研二さん(34)と作業療法士沙希さん(32)夫妻。今月の予定だった挙式を秋に延期した。沙希さんは「新緑の季節が好きで、本来の式と近い日に撮影できていい記念になった。写真は結婚式でも飾りたいです」と満面の笑み。ポーズや構図を変え、約30分の撮影を楽しんだ。

 同スタジオは、婚礼や家族写真などを手掛けているが、3月以降はキャンセルが相次いだ。苦境が続く中、「このまま終わらせるのではなく、写真で思い出を残す手伝いを」と、今月からスタートさせた。

 撮影場所は鴨川(賀茂川)や高野川、岡崎公園周辺。これまで入園式や入学式でマスク姿でしか撮れなかった家族らから依頼があり、「大切な節目を写真に残せて良かった」「一瞬の表情を捉えてもらえた」といった喜びの声が寄せられているという。

 撮影は1組10人までで、体温が37・5度以上の場合は不可とするなど、感染対策にも細心の注意を払う。夏ごろまで続ける予定で、藤岡さんは「普段はプロのカメラマンに頼まない人でも、これを機にお客さんになっていただけたら」と話す。

 対象は府内在住者。撮影は30分以内で、データを後日10枚ほど送る。同スタジオにメール(torimodosou.project@gmail.com)で申し込む。