山崎合戦当日の4こま漫画。光秀最期のこの日は後編もあり、さらにエンディングへと続く

山崎合戦当日の4こま漫画。光秀最期のこの日は後編もあり、さらにエンディングへと続く

 1582年の本能寺の変から山崎合戦までの12日間にわたる戦国武将・明智光秀の毎日を描いた4こま漫画を、長岡京市教育委員会の職員が制作した。「スマホを持ったユルい光秀」が登場する作品は、市のホームページや会員制交流サイト(SNS)で公開されて話題を呼んでいる。

 新型コロナウイルス禍でイベントの開催が難しい状況でも地元の歴史に親しむ機会を提供しようと、市教委の井内紳碁さん(26)が発案し構成から作画まですべてを担当。光秀の行動は、同時代の神職、吉田兼見(かねみ)の日記で信頼性の高い史料として知られる「兼見卿記(きょうき)」などを基にした。

 4こま漫画は1日1話が基本パターンで、光秀が非業の死を遂げる山崎合戦の当日のみ2話構成にし、エンディングの1話を加えた全14話。今春まで連載が続いた話題作「100日後に死ぬワニ」を参考に、「光meter(みつメーター)」と称して、光秀の最期の日までをカウントダウンするイラストも添えた。

 全編を通して、光秀は感情の起伏を前面に出さずに淡々と振る舞う。織田信長の家臣としてともに戦ってきた盟友の細川藤孝や筒井順慶が味方となることを断っても、粛々とその事実を受け入れる。「史料の記述を忠実に再現することをまず心掛けた」(井内さん)

 ただ、漫画としてのユーモアも持たせるため、情報収集とコミュニケーションの道具として登場させたのがスマートフォン。豊臣秀吉による「想定外」の「中国大返し」や山崎合戦の戦況をユーチューブで確認し、観念していく光秀の姿もシュールに描いた。

 「100日後に死ぬワニ」のラストシーンを想起させるのがエンディング。落ち武者狩りに討たれて息絶えた光秀のスマートフォンには、互いの子ども(細川ガラシャ・忠興)の婚礼に立ち会い、手を取り合っていた藤孝からメールと思い出の写真が届いていた。

 井内さんは「史実を親しみやすく伝えるという目的は果たせていると思う。多くの人に読んでほしい」と話す。香川県などからも読者の感想が寄せられているという。今後は、藤孝や順慶など光秀以外の人物を視点にした続編も制作し、公開する予定。