野党同士の競い合いに陥ってしまうようでは困る。

 国民民主党と自由党が衆参両院で統一会派を組むことになった。将来的な合流も視野に入る。

 立憲民主党も社民党と参院での会派結成を届け出た。

 通常国会を前に、野党勢力の再編が進んでいるようにみえる。

 だが、野党第1、第2党の立民と国民がそれぞれの勢力拡大を目指すことで、かえって両党間の溝が深まる可能性もある。

 仲間を囲い込む動きが幅広い野党勢力の結集を妨げるなら、巨大与党を利するだけだ。

 参院選に向けた共闘の深化には何が必要か。鍵を握る立民、国民は、まず、そこを考えてほしい。

 国民、自由の統一会派結成にはおのおのの事情が垣間見える。

 国民は支持率が1%台と低迷しているが、連合などの支援組織や地方の強固な支持基盤がある。100億円超の繰越金もある。

 自由は選挙に精通した小沢一郎共同代表の手腕に加え、100万票以上の集票力があるとされる。

 互いの潜在力を利用することで相乗効果を狙っているのだろう。

 ただ、政権への向き合い方には違いがある。国民の玉木雄一郎代表が批判だけに頼らない「提案型」路線を取るのに対し、小沢氏は徹底した対決姿勢を示す。この違いを整理しきれなければ、会派内で摩擦を生みかねない。

 国民内には、旧民主党分裂の要因にもなった小沢氏の党運営の手法に警戒感が根強い。23日の党総務会でも慎重論が相次いだという。合流が現実化すれば「離党者が複数出る」との見方もある。

 政策や政治姿勢を語る以前に手法を巡る対立が表面化するなら、選挙戦略どころではなかろう。

 戦う相手は巨大与党であり、身内ではない。そこを間違えずに党を引っ張っていく責任が党首に求められる。玉木氏は、小沢氏と協力する意味を所属議員や支持者にきちんと説明すべきだ。小沢氏も野党結集への考えや姿勢を真摯(しんし)に語り、理解を得る努力が要る。

 その上で重要なのは、参院選で打ち出す政策を早期にまとめ、候補者擁立を具体化することだ。

 改選1人区では候補者一本化への協議が進むが、複数区で野党同士の競合を解消する動きは鈍い。

 立民の枝野幸男代表は複数区での連携に否定的だが、選挙情勢を冷静に見極め、政権批判票を分散させない対策が必要だ。野党が角を突き合わせていては、与党の壁を打ち破る展望は開けない。