裁判長の交代を切実に訴える(右から)丸山さんと弘次さん=大阪市・大阪弁護士会館

裁判長の交代を切実に訴える(右から)丸山さんと弘次さん=大阪市・大阪弁護士会館

 滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」の第2次再審請求で、大阪高裁の即時抗告審の裁判長に第1次再審請求審で大津地裁裁判長として棄却決定を出した長井秀典裁判官が就いたことに反発し、強盗殺人罪で無期懲役が確定した阪原弘元受刑者=2011年に死亡=側の弁護団などが25日夜、緊急集会を大阪市内で開いた。阪原さんの遺族らは「公平な裁判が妨げられる恐れがある」とし、裁判長の交代を強く訴えた。

 支援者ら約30人を前に、阪原さんの長男弘次さん(59)は「30年間闘って再審開始決定を得たが、目の前が真っ暗になった。裁判所はわれわれ家族をどれだけいじめたら気が済むのか」と批判。長女の丸山美和子さん(57)は、大津地裁での棄却決定後、阪原さんが「なんで分かってもらえないんだ」と失意の中で亡くなったと振り返り、「真実を見抜いてくれていたら、父は希望に満ち生きていたかもしれない。(長井裁判官を)決して許せず再び担当してもらうわけにはいかない」と涙ながらに語った。
 伊賀興一弁護団長(71)は、弁護団が高裁長官宛てに面談を求めたが、24日に高裁から応じない旨の回答があったと説明。「裁判所は不公平な裁判をする恐れがないと考えているかもしれないが、一般市民にとっては非常識だ」と強調した。集会には、冤罪(えんざい)被害者や元裁判官の弁護士らも参加し、公平な裁判を受ける権利を保障する憲法に反する恐れがある問題点や、再審に関する法整備の必要性を共有した。
 日弁連も25日、声明を出し、「(長井裁判官が)再び裁判長を務めると、予断を持って審理に臨む懸念が生じる。司法に対する市民の信頼を失う事態になりかねない」として長井裁判官に辞退を求めた。