なし崩しに追認するのでなく、安全で適切な使い方を一つずつ確認していくことが前提だろう。

 学校へのスマートフォンや携帯電話の持ち込みを、中学生に条件付きで認める見直し案を文部科学省がまとめた。

 来月にも全国の教育委員会などに通知する。それぞれが参考にして今後の対応を検討することになる。

 文科省はこれまで、小中学校への持参を原則禁止としてきた。だが近年、登下校時の緊急連絡手段として持たせたいという保護者の声が各地で上がっていた。

 小学生は通学範囲が狭いとし、従来通り原則禁止を維持した。一方で、中学生は部活や塾などで帰宅が遅くなる場合もある。一定の容認条件を示すことで、現場判断により柔軟に対応する道を広げたといえよう。

 内閣府の2018年度調査で中学生のスマホ利用率は7割に上る。共働き世帯も増え、保護者と子どもとの欠かせない連絡手段となっている現実を踏まえた形だ。

 文科省が容認の条件としたのは(1)管理方法や紛失が起きた際の責任を明確にする(2)閲覧対象を制限する「フィルタリング」を保護者の責任で設定(3)危険性や正しい使い方を適切に指導-の3点だ。

 いずれも実際に学校や家庭で徹底するのは容易でない。

 大阪府は、18年の府北部地震を機に中学校へのスマホ持参容認に転じ、指針で「校内では電源を切ってかばんにしまう」などとした。だが、授業中の操作や生徒間の写真撮影を巡るトラブルなどへの根強い懸念があり、明確に認めたのは3町にとどまる。

 校内での保管方法や機能制限といった技術的な問題よりも、スマホ利用に伴う責任とリスクを子どもたち自身が十分に理解することが重要だろう。

 10代でゲームや会員制交流サイト(SNS)利用を長時間続け、スマホを手放せない依存症が問題になっている。ネットでのいじめや個人情報の漏えい、性犯罪などに巻き込まれる被害も増えている。

 スマホ利用の在り方に正面から向き合い、学校と保護者、子どもが一緒に話し合い、正しく安全に使うルールをつくることが大切だ。実生活に即し、自ら参加して決めた約束ごとを子どもらが納得して守れるようにしたい。

 新型コロナウイルスの再流行に備え、オンライン学習の環境整備が課題となっている。スマホを含めた機器の特徴や使い方をしっかりと見定めて進める必要がある。