どうしたことか。京都府警の警察官が相次いで逮捕されている。

 昨秋から1年間で5人にもなる。収賄、詐欺、大麻所持、盗撮、強制わいせつ致傷…。取り締まるべき犯罪なのに、逆である。

 警察官の不祥事防止のためとして、組織的に管理強化が進められている。にもかかわらず、職務の使命に背く犯罪行為が繰り返されたのは深刻な事態だ。

 今回の一連の不祥事で管理の徹底が図られるだろうが、そうしたことは不祥事が起きるたびに行われている。どこまで現場の意識にまで届いているか、考えてみる必要があろう。

 管理強化だけでなく、犯罪に手を染めた内面の奥底や周囲の環境などにも広く目を向け、問題点をえぐり出すべきだ。教訓や課題を組織で共有し、警官や職員の意見を吸い上げ、実態に即した対応があっていい。

 5日に収賄容疑で逮捕された東山署の刑事は、強盗事件の捜査対象者に逮捕予定日を漏らしたとされる。別件の事件で知り合い、情報を教える見返りに現金200万円を受け取ったという。

 警官は職務上、「悪」に接触する機会が少なくないが、逆に取り込まれ、ミイラ取りがミイラになる恐れがつきまとう。それだけに強い使命感が求められる。

 6月には、伏見署交番勤務だった巡査長が高齢者から約1100万円をだまし取った疑いで逮捕されている。特殊詐欺被害の緊急通報を悪用しており、住民の信頼を裏切った行為は全く許されない。

 警官の不祥事は今に始まったわけではない。国民の怒りを受けて2000年には、民間人も入った警察刷新会議が緊急提言を警察庁に提出している。

 そこでは警察の閉鎖性や、国民からの批判、意見を受けにくい体質、時代変化への対応能力の不足が指摘されたが、どこまで解消されたろうか。

 提言に基づき教育や監察の強化などの改革が進められ、確かに全国的に不祥事は減少傾向にある。

 しかし、昨年中の懲戒処分者257人の処分理由を見ると、異性関係94人に次いで窃盗・詐欺・横領などが55人と多い。

 管理を強化するあまり、報告や決裁が過剰となり、現場は疲弊しているとの声も聞かれる。組織の風通しを良くして、現場から不祥事防止策を練り上げられないか。警官一人一人が使命感を見つめ直すことが重要だ。市民の信頼回復は、それからだ。