吉岡幸雄氏(2010年11月、京都市伏見区)

吉岡幸雄氏(2010年11月、京都市伏見区)

 伝統的な染色法により日本の色を探求してきた染色家の吉岡幸雄(よしおか・さちお)氏が9月30日、愛知県春日井市で死去した。73歳。京都市出身。告別式は3日午前11時から京都市伏見区向島善阿弥町14の工房で。喪主は妻の美津子(みつこ)さん。

 吉岡氏は早稲田大を卒業後、美術工芸書の編集に携わった。1988年、41歳で父の跡を継ぎ、「染司よしおか」の5代目当主に就いた。日本古来の植物染で絹や木綿、麻、和紙を染め、日本の色を探求した。伝統行事の衣装や国宝の修復などを手掛けた。編集者時代に得た知識や経験を基に古文書や文献をひもとき、産地を探り、伎楽や古舞楽の衣装、荘厳具「幡(ばん)」に古代色を復元した。2010年に菊池寛賞を受賞した。

 主な著書に「日本の色辞典」「日本の色を染める」など。15~16年、本紙夕刊で「色もよう洛中洛外」を連載した。