クレーンが並び、ホテルが次々に建設されているJR京都駅南側の地域(京都市南区)

クレーンが並び、ホテルが次々に建設されているJR京都駅南側の地域(京都市南区)

 京都市の門川大作市長は30日、市議会代表質問の答弁で、市中心部などで急増している宿泊施設について、「市民生活との調和を最優先にしない施設は参入を控えてほしい」などと述べた。観光客の増加が暮らしに悪影響を及ぼしている一面を踏まえ、市民生活重視の姿勢をアピールした。

 市は2016年にまとめた「宿泊施設拡充・誘致方針」の中で、市内に必要な客室数を4万室と想定し、誘致に力を入れてきた。だが、今年3月末時点ですでに約4万6千室に達しており、今後も増え続ける見通しだ。門川市長は5月の市議会で従来の見解を改め、「数としては満たされつつある」と述べていた。

 門川市長はこの日始まった代表質問で、寺田一博市議(自民党)の質問に対し、「京都に進出したい企業やオフィス、住宅などの必要性も高まっている」と前置きした上で、宿泊施設に関して「市民生活との調和を最優先とし、地域の活性化や京都の文化の継承につながる施設は歓迎するが、そうではない施設は控えてほしい」と訴えた。

 市は今後、関係団体にこうした意向を伝える方針だが、強制力はない。11月に観光と市民生活の調和に向けた中長期的な取り組みを公表する予定で、今後、不足するオフィスの確保を含めて土地利用の在り方についてどこまで具体性のある対策を打ち出せるかが焦点となる。