昨年9月の真野川河川敷(上)と2019年の現状(下)=大津市今堅田3丁目

昨年9月の真野川河川敷(上)と2019年の現状(下)=大津市今堅田3丁目

 大津市真野と堅田地域を流れる真野川の河川敷で、ヒガンバナの群生地が姿を消そうとしている。2021年度の完成を目指す河川拡幅工事で河川敷が削られるためだ。近年、インターネットで話題となり、各地から足を運ぶ見物客が訪れていたが、川辺の景観は大きく変わるとみられ、惜しむ声が上がっている。

 琵琶湖の河口から約1キロ上流の真野川大橋一帯は、毎年9月下旬になると、川の両岸100メートルほどにわたりヒガンバナが咲き誇る。例年、一面が赤いじゅうたんのように染まる様子が写真映えすると、人気を集めていた。

 一方、戦後から川の氾濫が相次いでおり、地元住民から治水対策の要望を受けた滋賀県が7月、工事を開始。県大津土木事務所によると、流量の増加に対応するため、真野川大橋を架け替え、河口までの約1キロの区間で川幅を約1・5倍に広げる計画だ。

 工事によって、ヒガンバナが群生していた橋の一帯は、コンクリートで固められる。この工程とは別に、一帯では今秋、草刈りが行われ、開花を控えたヒガンバナも大部分が刈られてしまい、赤いじゅうたんは見られそうもない。左岸には、住民から親しまれている桜並木もあるが、すでに一部が伐採された。

 近くの男性(37)は「水害への備えは必要と思う反面、群生地がなくなるのは悲しい」と話す。県土木事務所は「治水が第一だが、可能な限り景観や環境に配慮しながら、住民らの意見を聞いていきたい」としている。