日吉ダム建設で水没した風景を表現した「山河惜別之賦」(京都府南丹市日吉町)

日吉ダム建設で水没した風景を表現した「山河惜別之賦」(京都府南丹市日吉町)

 京都府南丹市日吉町出身の書家森本晴雲さん(1944~2005年)が詩と墨絵で表現した「詩墨画」の展覧会が日吉町郷土資料館で開かれている。日吉ダム建設で水没した天若地区の風景を題材にした作品を中心に約40点を展示。消えゆく古里の山河が迫力のある筆遣いで描かれ、惜別の感情を込めた詩がしたためられている。

 森本さんは水没した天若地区に隣接する日吉町中世木出身。京都市で詩墨画を中心に制作を続けた。

 初の展覧会では1986年の天若地区の離村式で展示された、びょうぶ「山河惜別之賦(ふ)」が目をひく。山や桂川、かやぶきの民家などが描かれ、「山河消ゆる日 皆ゆく日 惜別の情 新しき夢 里人の心いかに」などの詩が書かれている。

 水没した天若地区にあった、森本さんとゆかりのある民家や幼いころに遊んだ川にかかるつり橋を描いた作品のほか、「天若峡八景」として夕暮れの川面やすでにあった世木ダムなどをとらえた、ふすま絵も並ぶ。

 同館は「さまざまなものへの優しいまなざしと、古里への率直な思いがつづられており、見る人の心に響く」としている。

 11月24日までで10月25日から展示を一部入れ替える。入館料が必要で毎週火・水曜日休館。